子どもと家庭のための 奈良の民話(2)

 奈良には、多くの神社・仏閣がありますが、それには案外知られていない物語が秘められています。元興寺には「退治された盗賊が鬼になって出没し、小僧が鬼と格闘の末、追い払い、後に立派なお坊さんになった」というお話があります。また東大寺の「良弁杉」、油阪の「蓮長寺の龍」、猿沢池には「采女の恋」、徳融寺には「中将姫伝説」、そして興福寺の菩提院には鹿をめぐる悲しいお話「十三鐘の石子詰め」があります。このように、歴史のある奈良には鬼や龍の話から、仏教説話、悲恋物語、親子愛の物語と実に多くのお話があります。
 しかし、このような奈良の人々が語り伝えてきた故郷(ふるさと)の民話が途絶えつつあります。昔はおじいさんやおばあさんがお話を孫たちに伝えてきたのですが、三世代同居の家族が少なくなり、核家族が増えてきて、地方の貴重なお話が聞かれなくなったのです。
 本書は、民話調査に基づく伝承テキストを子どもたちに親しみやすい語り口で再話されたものです。ぜひ声に出してお子さまの前で読んであげてください。また、覚えて、お子さんの前で語ってください。家庭で、保育園で、幼稚園で、子ども園で、学校で、図書館で、家庭文庫で、お話会で、歴史ある奈良の民話を語りついでください。

A5サイズ、カラーカバー 96頁

京阪奈情報出版

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